「東亜通信 第7号」東亜通信を発信しました

■北京で「日中教育文化交流協力」覚書に調印

中国遼寧省から小中高校生の修学旅行受け入れ 今年度最大3万人規模

 公益財団法人東亜総研の武部勤代表理事会長は3月29日、北京市の釣魚台国賓館で、日中教育文化交流協力に関する覚書に調印しました=写真、左は張・重慶市瀚華集団創業者、右は武部会長。
2019.04.15-01 中国遼寧省の小中高校生との交流強化を図るため修学旅行の受け入れなどに協力する5年間の提携協定で、中国側は同省出身の重慶市瀚華集団創業者で重慶富民銀行董事長の張国祥氏が調印しました。6月中旬に残留日本人孤児の多い遼寧省開原市の小学校高学年の40人が東京、日光を訪れるのを皮切りに、今年度中に最大3万人の同省の小中高校生を修学旅行生として受け入れる予定です。

きっかけは武部会長と金理事長との教育交流
 日中教育文化交流協力は2018年10月、安倍晋三首相が訪中時に、李克強首相との間で日中両国民の相互理解を醸成する観点から2019年を「日中青少年交流推進年」とし、今後5年間で3万人規模の青少年交流を実施することで一致したことからスタートしました。
2019.04.15-02 東亜総研が遼寧省の小中高生の受け入れ窓口になったきっかけは、武部会長と金竹花・同省教育基金会理事長との交流の歴史にさかのぼります。武部会長は自民党幹事長時代を含め、2005年から2012年まで9回にわたり、金氏の仲介で同省撫順市の朝鮮族の小中学校などを訪問し、生徒らと交流してきました。金氏とは家族ぐるみのつきあいがあり、「地球村の永遠の平和、繁栄と発展、美しい未来」の共通理念を実現するため、手を携えてきました=写真、左から張氏、武部会長、武部夫人、金理事長。
 
パートナー瀚華集団の張氏「遼寧省から年間300万人を海外へ」
 金氏を通して張氏一行が来日し、2月25日に武部会長ら東亜総研の間で意見交換し修学旅行の受け入れについて基本合意しました。席上、張氏らは遼寧省から年間300万人の小中高生を日本はじめ海外に送り出したいとの意向を示すとともに、同省の小中高生に質問したところ、3分の1が海外に行きたいと答え、このうち半数が日本を希望したとのアンケート結果を発表しました。2月の合意を受けて武部会長が訪中し、覚書調印に至ったわけです。

親の参加やアニメ見学も検討
 覚書によると、両者は(1)観光・教育文化交流協力(2)日中修学旅行協力(3)学校交流、芸術・文化・科学及びスポーツ交流などの推進――について実行に努め、安全第一の交流促進に向けた受け入れ体制の充実強化、学校提携交流、共同プロジェクトなどを図るとしています。調印式などで、武部会長は「中国から日本への修学旅行生の増大により、日本の国柄の良さや魅力に触れ、両国の相互理解と友好発展に貢献することにつながる」と述べました。さらに中国からの修学旅行生の受け入れを通じて、日中の学校間の交流を促進し、日本から中国への修学旅行の増大につなげ、日本と中国の未来をつなぐ日中教育文化交流協力の進展に寄与するとの目的もあります。
 具体的には、(1)安全対策を明確にして教育効果が期待できる修学旅行モデルにするため、近畿日本ツーリスト首都圏=田ヶ原聡社長=と瀋陽鉄道瀚華研学旅行との提携により実施する(2)世代を超えた相互信頼と相互理解を醸成するため生徒だけでなく親も参加できるようにする(3)名所・旧跡巡りに限らず、旅行生の希望に沿ったアニメ、スポーツ、芸術、文化の内容を取り込み、新しい発想による日中観光・教育文化交流協力を推進するーーなど従来の枠にとらわれない発想で実施します。今後、東京、京都などの大都市ばかりでなく、北海道・東北エリア、九州エリアなど地域の特色をいかした修学旅行コースを設定していく予定です。

■武部会長訪中報告(3月28日~4月1日)

 武部会長は3月28日から4月1日の間、中国の北京市と重慶市を訪問し2019.04.15-03、日中教育文化交流協力に関する覚書の調印式などに出席しました=今回の訪中メンバーと中国側要人の集合写真。

・3月28日夜、北京市の釣魚台国賓館で金竹花・遼寧省教育基金会理事長らと晩さん会
・3月29日午前、釣魚台迎賓館で日中教育文化交流協力に関する覚書の調印式
・3月29日夜、重慶市の重慶火鍋天下宴博物館で夕食会
・3月30日午前、大足石刻を視察
・3月30日午後、重慶富民銀行を視察
・3月30日夜、瀚華産融会議センターで夕食会
・3月31日午後、北京市郊外の北京聖露庄園を視察
・3月31日夜、全聚徳和平門烤鴨店龍翔庁で夕食会
・4月1日午前、駐中国日本大使公邸で横井裕大使と昼食会

■東亜総研 北見 第1回日本語能力試験サポート

北海道美幌町農協で ベトナム人技能実習生39人参加
2019.04.15-04 東亜総研北見は3月31日、北海道美幌町の同町農業協同組合で、ベトナム人の技能実習生39人を対象に第1回日本語能力試験サポートを実施しました=写真。当日は野尻正武商店、JAこしみず、JAびほろ、はまほろ、松永水産、トカロチファーム、北辰土建、ホクエー、ノースマイティ北見から実習生が参加しました。
 今回開催した狙いは、(1)実習生の日本語能力の向上により企業と実習生とのコミュニケーションを高めてもらい、地域との交流も深めてもらう。(2)実習生が日本語能力試験に合格することにより実習生活を終えて帰国してからの人生に役立ててもらう。(3)実際の試験の雰囲気を体験してもらい、本試験で実力を発揮できるようにする。2019.04.15-05(4)実習生に日本語と技術を学ぶために日本に来たという目的を再認識してもらう――の4点です。
 模擬試験に臨んだ実習生からは「模試の結果を見て、自分の目指している日本語資格を合格するために、もっと勉強しなければならないと思いました」、「自分よりも勉強している実習生がいて、良い刺激になりました」などの声が寄せられています。