「東亜通信 第17号」東亜通信を発信しました

■ベトナム人実習生タオさん 北見工大大学院に入学

将来の夢は農薬無害化を研究し母国の農業に貢献
202104-1 北海道の美幌農業協同組合で働いていたゴー・ティトゥー・タオさん(28)が4月19日、北見工大大学院の入学式に参列しました。タオさんは2017年6月、同農協の技能実習一期生としてベトナム人女子4人で来日しました。タオさんらはタマネギの選別作業など仕事を覚えながら、地元の住民とも盆踊り大会などで交流し、北の大地に生まれた小さなグローバル人材共生社会の一員として地域に一歩一歩溶け込んでいきました。
ベトナムの食品関係の大学を卒業していたタオさんは、品質の高い日本の野菜を知って日本の農業に関心を持ち、北見工大大学院の進学を決めました。実習3年を終えた後、コロナ禍で帰国が難しくなったことをあり、在留資格を「特定活動」に切り替え、勉強を続けて同大学院に合格しました。来日時に日本語資格N4のタオさんは技能実習期間にN2を取得しました。昨年はコロナ禍で日本語試験を受験できませんでしたが、日本語の実力はN1クラスと周囲は太鼓判を押しています。タオさんは母国で農薬による環境汚染が問題になっていることに心を痛め、「大学院で土壌汚染などを研究して将来は母国の農業に貢献したい」と抱負を語っています。タオさんの活躍はNHKワールドや北海道新聞などメディアで大きく取り上げられました==写真は北海道新聞の記事。北海道新聞社許諾D2106-2109-00023829
 美幌農業協同組合で働いたベトナム4人娘は現地の送り出し機関エスハイから監理団体の東亜総研が受け入れました。来日した4人を女満別空港まで出迎えた東亜人材・北見の長澤薫・東亜総研理事はその日のことを昨日のように覚えています。長澤さんによると、4人は寮ではベトナム語禁止というルールを自分たちで作り、ベトナム語を話したら100円罰金で、そのお金がたまったらみんなの買い物のときのタクシー代などに使うなど日本語上達の努力を積み重ねました。
オアンさん、フオンさんは技能実習から特定技能「介護」で就労
202104-2 4人娘のうち、ヴォ・ティ・キン・ゴックさん(31)はベトナムに帰国し、日本語の教師を目指しています。そして、グエン・ティ・オアンさん(28)とグエン・ホアイ・フオン(24)の2人は2020年5月に技能実習を終えましたが、日本に残ることを決断し、在留資格を「特定活動」に替えて仕事と勉強に励み、介護技能評価試験・介護日本語評価試験に合格しました=写真は2017年6月、来日して女満別空港に到着した4人。左からゴックさん、フォンさん、タオさん、オアンさん。
オアンさんとフオンさんとも2021年2月から旭川リハビリテーション病院で特定技能の「介護」で就労を開始しています。4人兄姉で末っ子のオアンさんは70歳と高齢の父母を持ち、親を思う気持ちから介護の道を選びました。人なつっこくコミュニケーション能力が高いオアンさんは人と接する介護の仕事が向いています。フオンさんは美幌町のカトリック教会に通う心優しい人柄で、お年寄りに役立つ仕事に魅力を感じて介護を選びました。同病院最高経営責任者の進藤順哉氏(医療法人社団shindo最高経営責任者)は、オアンさんとフォンさんのコミュニケーション能力を高く評価し、「日本での生活経験がある2人のフォローのおかげで、(病院で働く)ベトナム人6人の全体の力が底上げされている。2人の活躍を大いに期待している」と話しています。

■日越大学広報用の新しいパンフレットとムービーが完成

開校までの軌跡と世界に挑戦する未来の夢を描く
202104-3 日越大学は2021年10月に学部日本学プログラムを開設し、総合大学として人材育成の歴史を本格的にスタートすることを記念し、「アジアを変える、世界に挑む――日越大学STORY」と題する新しい広報用のパンフレットとビデオを制作しました。パンフレットはA4版20ページ(日本版、ベトナム語版、英語版)=写真、ビデオは約14分の映像で、2021年10月19日、菅義偉首相が就任後初めての外遊先としてベトナムを訪問し、日越大学で講演、学生たちと交流した様子をはじめ、武部会長ら日越大学に関わる人々のストーリーをもとに開校までの軌跡と世界に挑戦する未来の夢が描かれています。東亜総研はJICAの日越大学国内事務局業務の一環としてパンフレットとビデオの制作に協力しました。

■日越大学 第四期「国内業務」を受注

「支援国内本部」(仮称)設置に向けて準備作業
東亜総研は4月、JICAの第4期「日越大学構想に係る国内事務局業務」(2021年4月~2023年3月)を受注しました。東亜総研は2016年8月から2021年2月まで3期にわたる約4年半の業務契約において、主に会議・イベントの開催支援、広報支援、日越大学の幹事大学の契約監理支援などをしてきました。2020年にはJICAの技術協力プロジェクトにより、日越大学は学部開設で総合大学として発展の新段階に入ったほか、ハノイ郊外のホアラック地区での新キャンパス建設を目的とした円借款事業の検討が進められています。日越大学は2025年までに学生数3000人、2030年までに6000人の規模にする目標とともに、2025年までに修士・学部ともに新プログラムを開設し、2026年以降は博士課程を開設する目標を掲げています。
こうした目標を実現するため、国内において、内閣官房「日越大学構想の推進に関する関係省庁会議」(議長・和泉洋人首相補佐官)、日越大学コンソーシアム(日越大学・幹事大学・経済団体など)、JICAと連携する形で「日越大学支援国内本部」(仮称)を設置する方針です。東亜総研は第4期の国内事務業務において日越大学の自立を支援するとともに、日越大学支援国内本部の設置に向けての計画と準備を検討することになります。

■4月17、18日に第7回ジャパンベトナムフェスティバル

ホーチミン市のイベント会場とオンライン配信で開催
202104-4 ベトナム最大の日越交流イベント「ジャパンベトナムフェスティバル(Japan Vietnam Festival=JVF)」が4月17、18日、ホーチミン市のイベント会場とオンライン配信で開催されました=写真。7回目を迎えるJVFはコロナ対策としてオンラインを活用した開催になりましたが、感染防止が徹底されているベトナムのホーチミン市のイベント会場には22万9千人が来場しました。オンラインで挨拶した日本側実行委員長の武部会長が「コロナ禍の困難の中、日越交流の象徴であるJVFを開催した意義は大きい」と述べ、ベトナム側実行委員長のトー・フイ・ルア越日友好協会会長は日越両国の絆を強調しました。チュオン・タン・サン元国家主席ら日越両国の要人も参列しました。
北見・オホーツクエリアのオンライン交流ステージも
今回は北海道北見・オホーツクエリアのオンライン交流ステージ、JICAボランティアと日越大学学生他によるダンスパフォーマンスをはじめ、オンラインで日本から登場したEXILE ATSUSHIやDA PUMPと結んだジャパンベトナムミュージックショー、日越交流ぼんおどり大会などが催されました。イベントの様子はFacebookライブ中継されたほか、ベトナム国営放送(VTV)でも中継されました。
JVF は第1回の2013年以来、ホーチミン市で「手に手をとって」の合い言葉のもと、日越ぼんおどり大会などの交流イベントが行われ、第6回(2019年)は過去最大の32万8千人の来場がありました。コロナ禍で2020年は延期され、今回の開催になりました。

■武部会長「ともに活躍できるグローバル人材共生の青写真」を提言

上川法相、田村厚労相らに面談し、制度の改革実現を要望
202104-5202104-6武部会長は、一般財団法人外国人材共生支援全国協会(NAGOMi)の代表理事会長として4月7日に上川陽子法相=写真左=、同19日に田村憲久厚労相=写真下=と面談し、「ともに活躍できるグローバル人材共生の青写真」を提言するとともに、技能実習と特定技能の整合性のとれた一貫性のある制度改革の実現などを要望しました。武部会長は技能実習制度の貢献を述べるとともに、悪質なブローカー・送り出し機関や心ない監理団体・受け入れ企業を断固排除する必要があるとも強調しました。
今後、グローバル人材共生推進議員懇話会をはじめ、自民党外国人労働者等特別委員会、政府関係機関・団体などに提言し、理解を求める考えです。

「クローバル人材共生の青写真」の要約
リーチマイケル選手と「ワンチーム」
ラグビーワールドカップ2019の日本代表キャプテンであるリーチマイケル選手が「多様な人々が集まって強くなるチーム」を目指し、外国出身選手たちに自ら君が代の練習などを率先して行い、外国出身選手の日本語が生んだ和製英語「ワンチーム」の合い言葉のもとで心を一つにして闘いました。

「日本の国柄」と八百万神
「日本の国柄」とは万物共生の考えです。日本は古代からこの世の一切合切は大神の分身、いわば大神に対する小神となるので万物はすべて神の分身、神が宿るという八百万神(やおよろずのかみ)とされてきました。山川草木、そして人間も当然、その万物のひとつでした。

日本の同化力と伝統精神
こうした多神教の日本の特性は同化力に表れています。「和魂漢才」という言葉が示すように、古代から政治・経済・文化は中国から入ってきましたが、日本はそれらを受け入れ、日本流につくりかえて同化してきました。一方、松下幸之助は著書『日本と日本人について』で、日本の伝統精神として考えられるものは、衆知を重んじること、主座を保つこと、和を貴び平和を愛好することであると提起しております。

外国選手を受け入れ前進するラグビー日本代表
ラグビーの日本代表チームは様々な外国出身選手を受け入れ、日本流の同化力をもって素晴らしいチーム力をつくりあげました。リーチマイケル選手は和をもって、限りなく前進するチームのシンボルです。日本の伝統的精神文化に根差している「日本の国柄」が注目されるゆえんです。

外国人材受け入れ政策を再構築すべき
アジアの国々や地域は、日本にとって政治的、経済的、安全保障上、最も重要であることはいうまでもありません。多様な文化を受け入れる度量と同化力に富んだ「日本の国柄」に憧れ、「日本を学びたい、日本で働きたい」と期待を寄せて訪れるアジアの若者が増えています。こうした状況を踏まえ、「訪れたい、学びたい、働きたい、住んでみたい」日本であるために、整合性のとれた一貫性のある外国人材受け入れ政策を再構築すべきです。

技能実習を基盤に整合性のとれた一貫性のある制度に
グローバル人材共生は、人手不足を補うために安い外国人労働力をあてにすることとは根本的に異なります。グローバル人材は、同等かつ重要な就労者であり、生活者であり、消費、納税、社会保障負担の責任を有する「多文化共生社会」を担うパートナーでもあります。
グローバル人材共生のため、技能実習制度を基盤に特定技能制度との一元化をはかり、幅広い外国人材受け入れ政策を確立すべきです。

■JICAモンゴル国観光調査の中間報告を提出

東亜総研など共同企業体 昨年11月からコンサルタント等契約
JICAのモンゴル国持続可能な観光開発に係る情報収集・確認調査を受託した公益財団法人東亜総研、株式会社近畿日本ツーリストコーポレートビジネス、株式会社クニエの共同企業体は4月19日、インテリムレポート(中間報告)を提出しました。同調査は調査対象地域の観光開発に関して過去にJICAが策定したマスタープランやモンゴル国全体の観光セクターの現状を把握したうえで、それぞれの調査対象となるルートを中心とした観光セクターやその開発を目指し、今後のJICAの協力可能性を検討することが目的です。中間報告では、調査対象として首都ウランバートル市を起点とした(1)南ゴビルート(2)ドルノゴビレート(3)ハラホリンルート(4)ウランバートル市近郊――の4ルートについて情報収集を行い、具体的な観光開発方針(素案)とJICAの協力プログラム案の提案を検討するとしています。最終報告は10月にすることになっています。

■東亜総研 新任6人が入所 総勢26人に

東亜総研は4月から東京事務所に参与の石本広之氏、北見事務所にスタッフのグェン・ティ・チャンさん、濱出知花さん、田中健二氏、札幌事務所に所長の小川龍彦氏、副所長の五十嵐彰氏の計6人が新任で入所しました。東亜総研は武部会長はじめ総勢26人の体制となりました。