一般財団法人東亜総研 平成28年度事業報告書

 平成28年度(2016年度)、一般財団法人東亜総研は「共存共栄のアジア新時代」を目指し、その理想実現に向け各種事業を実施いたしました。2013年6月27日の設立より3年を経過し、具体的な事業において徐々に実績を重ね、信頼関係を醸成し、賛助会員をはじめとする皆様の後援、ご協力などによって、当財団事業のすそ野を広げてまいりました。事業活動の実績概要を以下のとおり報告いたします。

1.東亜総研設立3周年記念感謝の集いの開催
 平成28年10月14日、ザ・キャピトルホテル東急において「東亜総研設立3周年記念感謝の集い」を開催し、約200名の方々にご参加頂きました。ジャルガルトルガ・エルデネバト モンゴル国首相、二階俊博自由民主党幹事長及びハリール・ビン・イブラヒーム・ハッサン バーレーン王国特命全権大使よりご祝辞を頂き、日本ベトナム特別大使杉良太郎氏をお招きし、ご講演頂きました。

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(上から)ジャルガルトルガ・エルデネバト モンゴル国首相、二階俊博 自由民主党幹事長、ハリール・ビン・イブラヒーム・ハッサン バーレーン王国特命全権大使、杉良太郎 日本ベトナム特別大使


2.定例セミナーの開催
 当財団設立趣旨を体現する特色あるセミナーの開催により、会員間及びアジア各国との幅広い人的交流の機会を提供しました。平成28年度の開催実績は以下のとおりです。

◎第16回 平成28年4月19日
 駐日ベトナム社会主義共和国 駐日特命全権大使 グエン・クオック・クオン閣下
「新時代のベトナムと日本の関係について」
◎第17回 平成28年10月31日
 思想家 井上新甫氏
 「象徴天皇と日本の国柄」
駐日ベトナム社会主義共和国  グエン・クオック・クオン特命全権大使

駐日ベトナム社会主義共和国 
グエン・クオック・クオン特命全権大使

思想家 井上新甫 氏

思想家 井上新甫 氏


3.モンゴル国との経済・文化交流の促進
1)北海道モンゴル経済交流促進調査会モンゴルミッション
・9月19日から23日の日程で、武部勤調査会会長のほか、経済産業省、北海道、札幌市、民間企業等日本から19名、現地合流8名、合計27名が参加しました。
エンフボルド国会議長に面談するほか、北海道からの進出企業、JICAモンゴル日本センター、モンゴル現地企業の視察及び意見交換を実施し、いくつかの商談も行われるなど、多くの成果を挙げました。

2)第2回北海道モンゴル経済交流促進調査会の開催
・平成28年11月24日(金)、フレルバータル駐日モンゴル大使、モンゴル国国会議員ボルド氏を迎え、札幌商工会議所で開催されました。
フレルバータル駐日モンゴル大使から、「エルデネバットモンゴル国首相が目指す、モンゴル国の発展と日本とのパートナーシップ」という演題で講演をいただきました。
・また、モンゴル国国会議員ボルド氏から、11月10日にモンゴル国政府宮殿において、モンゴル北海道経済交流促進調査会の設立総会を開催、ボルド氏が会長に就任し、モンゴルと北海道の間で民間同士の交流を拡大し、日本の技術導入・移転を進めること、来年2月には調査会会員ミッションを札幌に派遣し、セミナーを開催すること等が述べられました。

3)第3回北海道モンゴル経済交流促進調査会及び「北海道・モンゴルビジネスフォーラム」の開催
・平成29年2月6日、7日の両日、第3回北海道モンゴル経済交流促進調査会及び「北海道・モンゴルビジネスフォーラム」が開催されました。ビジネスマッチングでは、北海道内企業10社、モンゴル企業13社が参加し、合計58名の参加者を得て、盛会裏に終了しました。
 なお、武部勤北海道モンゴル経済促進交流促進調査会会長とロブサンワンダン・ボルドモンゴル北海道経済交流促進調査会会長が覚書調印式で署名しました。

モンゴルミッションでの会議

モンゴルミッションでの会議

講演する長澤理事

講演する長澤理事

覚書調印式

覚書調印式


4.日越大学構想の推進
 日越友好議員連盟の特別顧問でもある当財団代表理事・会長武部勤は、「日越友好議員連盟」(会長:二階俊博自民党幹事長)及び「日越大学推進議員懇話会」(会長:河村建夫元文部科学大臣)と連動し、わが国安倍内閣及びグエン・スアン・フック首相他ベトナム要人に精力的に働きかけてまいりました。その結果、平成27年12月には内閣官房に「日越大学に関する関係省庁会議」(議長:和泉洋人内閣総理大臣補佐官)及び「日本側推進委員会」(委員長:越村敏昭東急電鉄相談役)が設置され、平成28年9月に大学院の開講式が行われることが決定されました。
 以上を受けて、平成28年度におきましては、9月9日に開学式が開催され、大学院修士課程が開校したところです。
 平成28年12月8日(木)には、日越大学特別講演が開催され、当財団の武部勤代表理事が日本・ベトナム友好議員連盟特別顧問として特別講演を実施しました。
 また、12月9日は、ハノイ国家大学において日越大学創立に対して多大な貢献があったとして、当財団常任理事でもある吉田允昭氏がハノイ国家大学より勲章が授与されたことをご報告いたします。
 当財団といたしましては、平成27年においてJICAからの日本側推進委員会の事務局業務を受託(2015年12月~2017年3月)したところですが、その実績を活かし、平成29年度も引き続き事務局業務を受託(平成29年4月~平成31年2月)、新たな業務の展開に向けて務めていくこととしています。

【日越大学開学式】

【日越大学開学式】

【特別講義】

【特別講義】

【吉田常任理事勲章授与式】

【吉田常任理事勲章授与式】


5.「2016Vietnam Japan Festival」の開催
 第4回目からは日越共同開催の官民一体イベントとして、従来の名称から「2016 Japan Vietnam Festival」と改め、平成28年11月19日、20日の日程でベトナムのホーチミン市で開催しました。
 今回は「日越共同開催」ということで、ベトナム側の積極的な協力参加をいただきました。また、「特別顧問」「常任委員」「委員」のメンバーに、政財界をはじめ芸術・文化・スポーツなど多大なるご協力のもとに「官民一体」イベントとして、遂行することができました。
 経済交流、文化交流、スポーツ交流や省庁後援の連携イベント、ブース出展、ステージイベントなどで、前回を上回る22万人以上の参加者を得られ大盛況のうちに終了いたしました。 また、初の試みにて実施された、平和を誓う「日越交流ぼんおどり大会」は参加者が1万人を超えたと言われております。
 歴史を重ねることで毎年、認知度が向上し日本への期待感、好印象が高まっていることが実感できました。

【2016 Japan Vietnam Festival開会式】

【2016 Japan Vietnam Festival開会式】

【日越交流ぼんおどり大会】

【日越交流ぼんおどり大会】


6.北海道ベトナム交流協会
 平成28年3月2日、「北海道ベトナム交流協会設立総会」、ならびに「グエン・クオック・クオン大使夫妻を囲む交流の集い」を札幌市で開催しました。北海道ベトナム交流協会は経済・文化・学術・スポーツ・観光、人的交流等を通じて、北海道とベトナムの相互理解と友好協力関係を深め、北海道の活性化と共に、可能性に富んだベトナムの未来に貢献することを目的とし、その実現のために活動を行うことを目指し設立いたしました。
 平成28年7月15日、トー・フイ・ルア越日友好議連会長来日知床北見視察団をお迎えして、オホーツク日越友好協会会長・加藤農夫也ご夫妻主催昼食会を開催いたしました。
 また、ご一行は武部北海道ベトナム交流協会会長の故郷である世界自然遺産の知床・網走監博物館等を訪問し、オホーツクの海の幸・山の幸・地ビール等を堪能されました。
 また、平成29年4月8日から9日の日程でグエン・チー・ズンベトナム計画・投資大臣、クアンチ省グエン・ドク・チン知事訪日団が来道されました。
 4月8日の「歓迎レセプション」には高橋はるみ北海道知事をはじめ、北海道経済をけん引する経営者・基幹産業である農業・水産の代表者等が一堂に会しました。武部会長がベトナム側出席者一人一人を紹介する場面もあり、和やかな交流会となりました。また、同9日には「北海道・ベトナム意見交換会」が開催され、双方から今後の経済・観光交流に関する活発な意見・要望が出されました。
 29年7月14日には、グエン・クオック・クオン大使をお迎えし、北海道・ベトナム交流協会総会の開催も予定されております。

7.技能実習生受入れ事業について
(1)経緯
 平成27年4月に、法務大臣告示により技能実習生受入の監理団体となった当財団は、5月にベトナムから最初の実習生を迎えました。また、7月には、実習生受入れを促進するため、ベトナム労働省・傷病兵・社会問題省外国労働者管理局(通称:DOLAB)と「技能実習生受入れに関する覚書」を締結し、特に農業分野などの制度の見直しに取り組むとともに、同5月31日から6月2日の3日間、北海道稚内市、枝幸町(2箇所)、北見市の4会場にて「ベトナムからの実習生受入れ促進セミナー」を開催し、道内各地から153名にご参加頂きました。セミナーでは、駐日ベトナム社会主義共和国大使館グエン・ザー・リエム参事官、ベトナム国エスハイ社レ・ロンソン社長よりご講演いただきました。
 この結果、平成27年度には12名の受入実績を上げることができました。その成果を受けて、平成28年度は42名の受入実績となるなど、ベトナム人技能実習生受入事業をさらに拡大することができました。また、現在、ベトナムには38名の学生が既に面接を終了し入国を待っております。(入国している実習生と合わせて92名)

(2)28年度の取組み
 一方で、当財団としましては、本事業の更なる拡大と展開を目指して、平成28年度におきましては、次のような取組みを行いました。

1)北海道において耕種農業・酪農等第1次産業分野をはじめ、水産加工・建設(鉄筋施工・型枠施工)・段ボール製造・惣菜等広く多職種企業の受入れを実現し、本財団の収益の一翼を担うことができた。
2)北海道における農林水産業分野の技能実習生受入の特区化。
3)北海道における農業分野の実習生受入制度改善について農水省・厚労省・法務省と協議することにより、農協での実習の実施に道を開く。平成29年2月、小清水町農協にベトナム人技能実習生4名を受入れた。(同5月に宗谷南農協2名、6月に美幌町農協に4名の実習生が入国予定。)

 入国時講習はトークス共育センターと連携するなど、関係機関と連動することで効率的な事業実施の仕組み化を進めていくこととしています。
 北海道においては、実習生の技能検定受験・日本語能力試験受験のサポート、カーリングやボーリング等のレクリエーションを通じて受入れ企業社員の皆さん、同地区実習生、また地域社会との交流を行う機会をアレンジしています。

【配属時(JA小清水)】

【配属時(JA小清水)】

【実習時(野尻商店)】

【実習時(野尻商店)】

【入国後講習時(北嶺)】

【入国後講習時(北嶺)】

【地域社会との交流(釧路フィッシュ)】

【地域社会との交流(釧路フィッシュ)】


8.社会資本・技術・サービス・ノウハウなどの橋渡し事業
 関係機関との連携のもと、主にベトナム企業と日本企業との提携や会員企業へのコンサルティングなどを多数実施しました。

 昨年1年間に、武部会長は、9回ベトナム国を訪問、グエン・フー・チョン書記長、チャン・ダイ・クアン国家主席、グエン・スアン・フック首相、グエン・テイ・キム・ガン国会議長をはじめ10名の政治局員や政府・党の要人と直接会談するなど日越大学やジャパンベトナムフェスティバル等日越関係発展に尽力ました。