「東亜通信 第14号」東亜通信を発信しました

■武部会長 コロナ後に向け「温故知新」の日本型モデルを提言

オンライン (ZOOM)会議で「コロナショックにどう対応するか」を語る
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 東亜総研の武部勤・代表理事会長は5月4日、滞在先の北海道北見市からオンライン(ZOOM)会議=写真=に参加し、「想定外のコロナショックにどう対応するか」について語った。武部会長は今回のコロナショックについて「グローバルとローカルの『グローカル経済』を大きく揺るがした。前から指摘はされてきたが、今回は我々の生き方を根本的に変えて、地球を大切にしなければいけないと人類に警鐘を鳴らしている」と語りました。さらに「今までは、たとえば世界を『戦後』という次元でとらえていたが、コロナで示されたのは全く違う次元に直面しているということです」と言及しました。
そのうえで、東亜総研が4月の新年度からベトナム人スタッフを増やすなど運営体制を一新したことに触れ、「日本ならではの生き方を一人ひとりの自覚のもとにつくらなければいけない。コロナ後に向け、日本人は地球人の生き方のモデルになることを目指すべきだと思います。『故きを温ね、新しきを知る』(温故知新=ふるきをたずね、あたらしきをしる)の言葉のように、古き良き日本の田園風景を歌った童謡『故郷(ふるさと)』の人間社会とSNSであっという間に情報が伝わるデジタル社会を融合させることが重要になってきます。こうした役割を東亜総研は果たしていきたい」と話しました。

■コロナ禍で武部会長より技能実習生にビデオ・メッセージ

「私は、母国のお父さんお母さんから皆さんをお預かりしているつもりです。一番心配しているのは皆さんの健康です」 ベトナム語でテロップ
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東亜総研はコロナ禍で不安に過ごす技能実習生にむけて武部会長からのビデオ・メッセージを作成しました=写真。ビデオにはベトナム語でテロップがつけられ、すでに2800回以上が視聴されています(5月4日現在)。通訳は東亜総研北見事務所のチャン・ティ・トゥー・ユンさんが務めました。
 武部会長は冒頭、「日本をはじめ世界中が新型コロナウイルスと戦っています。みなさんも不安な毎日を過ごしていると思います」を述べ、不安な毎日の過ごし方について(1) 必ず良くなると信じることです(2)噂に惑わされないことです(3)今できることに集中することです(4)緊急事態宣言の指示を守って我慢することです(5)自分の身は自分で守ることです――と語りかけています。最後に「私は、母国のお父さんお母さんから皆さんをお預かりしているつもりです。一番心配しているのは皆さんの健康です」と話されました。
同時に東亜総研の技能実習生向けのfacebook を開設しました。
https://www.facebook.com/The-TOA-Institution-105927621100215/

■中国遼寧省の国際友好連絡会から「友好マスク」が贈呈

修学旅行生受け入れのお礼でマスク5,000枚
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中国遼寧省の国際友好連絡会(孫遠良会長)は4月11日、同省から修学旅行生を受け入れた東亜総研に新型コロナ感染症対策のためのマスク5,000枚を贈呈しました。
寄贈されたマスク=写真=は、即日振り分けられ、東亜総研より技能実習生の受け入れ企業や関連企業・団体に届けられました。その後、武部会長と孫会長の間では、新型コロナ対策で日中双方が協力することを確認し、さらに友好関係を深めていく旨の書簡をやりとりしました。

■ベトナム人技能実習生3人がマスクを手作りし同胞へ配布

「ヤマダイ小林商店」(稚内市)の実習生、地元紙で話題に

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東亜総研が監理団体を務める水産加工会社「ヤマダイ小林商店」(北海道稚内市)のベトナム人技能実習生、グエン・ティ・タイン・ガンさん、ファン・ティ・トッオン・ヴィさん、ヴー・ティ・ニュンさんの3人=写真=が、マスクが足りなくて困っている同胞のベトナム人技能実習生を手助けしたいとマスク200枚を手縫いで作りました。東亜総研は3人から困っている同胞に何かしたいと申し出を受け、マスクの材料を提供しました。3人が2週間かけて200枚のマスクを作製しました。200枚のマスクは東亜総研で預かり、他の受け入れ企業で実習を行っているベトナム人技能実習生のもとに届けられました。その際、東亜総研のスタッフからのメッセージと中国から届いたマスクも添えられました。ベトナム人技能実習生3人の心温まる行動は地元紙でも大きくとり上げられ、話題になりました。

■東亜総研主催 北海道の技能実習生作文コンクールを実施

大賞 
「ラストフィニッシャーへの賞」のテーさん(北辰土建)

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 技能実習生の日本語能力の向上のため、東亜総研主催の第1回「日本語作文コンクール」が開催されました。応募総数は34点で、武部会長はじめ、北見事務所のスタッフ全員で審査を実施し、グェン・ミン・テーさん(北辰土建=北見市)=写真右=の「ラストフィニッシャーへの賞」が大賞を受賞しました。

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<皆さん、マラソン大会を見たことがありますか?あったら、何を気にしますか?普段はチャンピオン、賞、レコード、それとも舞台裏のストーリー?私はラストフィニッシャーというイメージが最も意味があるように思います。それを見て自分の人生について色々と考えさせられました。(中略)よく考えてみると人生は旅みたいです。私達は自分の人生の船のキャプテンです。船が早く進むかどうかや目的に着くかどうかは私達の操り方次第です。直進するか曲がるか?続けるかやめるか?自らの選択です。皆さんはどう思いますか?自分のマラソンもフィニッシュしたいですか?>
武部会長はテーさんの作文に「テー君は努力に努力を積みやっとつかんだ日本への道。日本でも自分の思い通りにいかない焦り、しかし確信を持って人生のマラソンに挑戦する姿はすばらしいと思う。きっと成功するよ!君の人生は必ず金メダルに輝きます」と論評しています。

優秀賞
「お父さんとコーヒー」のタオさん(美幌町農業協同組合)
「3年だけじゃなくて、一生です。すべてをありがとうございます」のガンさん(ヤマダイ小林商店)
「日本は私を成長させる」のカインさん(東星渡部建設)
「あなたの採択」のロアンさん(イチイゲタ富樫水産)

ゴー・ティ・トゥー・タオさん「お父さんとコーヒー」のほか3人が審査員に感動を与えた優秀賞でした。
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<私はコーヒーといえば、お父さんを思い浮かべます。多分コーヒー豆が多い産地で生まれて、私の記憶にはお父さんがコーヒーを作っているイメージばかりです。(中略)心を込めてお父さんは私とコーヒーを大事に育ててくれました。コーヒーの中には苦味だけでなく、心の暖かさを感じます。これからもお父さんに感謝し、素晴らしいコーヒーを飲みながら、素晴らしい人生を送っていきます。ありがとう、お父さん>
武部会長はタオさんの作文に「『お父さんとコーヒー』(苦いけどいい香り)を題材に人生観、世界観、職業観が変わっていくタオさんの心の中が読みとれる気がします。お父さんの厳しさ、暖かさが伝わってきます」と論評しています。

ガンさん、カインさん、ロアンさんの作文につきましては次回の東亜通信で紹介いたします。

■外国人技能実習生の保護へ緊急対策を要望

コロナ感染の深刻化で自民党、厚労省、法務省、外務省に
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武部会長は4月11日、新型コロナの感染が深刻化し外国人技能実習生への影響が大きくなることを懸念し、「新型コロナウイルスによる技能実習生受入事業所の事業縮小等に伴う影響からの実習生保護のための対応について」と題する書簡を自民党政務調査会外国人労働者等特別委員の片山さつき委員長、笹川博義事務局長、武部新常任幹事、主務官庁である厚生労働省、法務省、さらに外務省に要請しました=写真は東亜総研の書簡などをもとに菅義偉官房長官に要請する片山委員長(左から2人目)ら。
書簡によると、「人権上の観点から、非常に弱い立場にある技能実習生に対して、日本の技能実習制度の管理下にある間については、責任をもって保護する必要がある」との認識から、当面の対応として(1)監理団体、実習実施者、実習生、送り出し機関への対応策の周知(2)緊急対応の期間は職種・作業の緩和措置を講じる/技能実習生向け失業対策事業(3)実習先変更のためのマッチングシステムの構築――について具体的に提案しています。
さらに、4月17日には出入国在留管理庁より「新型コロナウイルス感染症の影響により実習が継続困難になった技能実習生等に対する雇用維持支援について」が発表されるにあたり、運用にあたっての要望と質問をしました。武部会長は「新しい就職先での実習生の保護のあり方が明確でない。技能実習生は、監理団体の保護のもとで、本制度を活用する仕組みとすること」を要請したうえで、緊急事態とはいえ、本施策が引き金となり、技能実習制度を事実上崩壊させ、技能実習生を特定技能労働者としていくことにつながらないかなどと質問しました。
これら上記の内容は、4月24日の自民党外国人労働者等特別委員会で取り上げられ、5月1日に片山委員長、笹川事務局長が委員会を代表して菅義偉官房長官に要請した「新型コロナウイルス感染症拡大の影響への迅速な対応」に反映されています。さらに、5月4日には安倍晋三首相とフック首相の首脳電話会議が行われ、安倍首相からは技能実習生などの在日外国人への支援の説明がなされ、フック首相からも謝意が示されました。

■ベトナム人元技能実習生が男児を出産

標津町のグエン・ティ・ゴック・イエンさん
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東亜総研が監理団体を務める 「北嶺」(北海道根室市)の元技能実習生グエン・ティ・ゴック・イエンさんが2月22日、長男・愼君を出産(3400g)しました=写真。イエンさんは2019年5月に北海道標津町で漁業を営む谷内大輝さんと結婚しました。2 人の出会いは2016 年 8 月、標津町の夏祭りで、イエンさんは会社の同僚に浴衣を着せてもらって初めて日本のお祭りに参加し、その日に谷内さんに出会ったそうです。谷内さんから声をかけられ交際がスタートし、2019 年1 月に3 年間の北嶺での技能実習を終え、同5月に結婚しました。