「東亜通信 第15号」東亜通信を発信しました

■外国人材共生支援全国協会 設立総会で代表に武部会長

監理団体などの全国組織 外国人材の保護・支援と多文化共生社会を実現
202008071グローバル人材共生社会の環境整備を推進する外国人材共生支援全国協会(グローバル人材ネットワーク)は7月29日、東京都千代田区内で設立総会を開催し、会長に武部勤・東亜総研代表理事会長を選出しました=写真は最高顧問の二階・自民党幹事長(中央)に全国協会設立を報告する武部会長ら。会則によると、同協会は「グローバル人材共生ネットワーク」を全国各地域に展開し、政府や都道府県などと連携して、技能実習生をはじめ外国人材を適切に保護・支援し、差別のない多文化共生社会の実現に寄与することが目的です。
事業として(1)外国人の就労・生活に関する調査研究(2)外国人の在留資格・就労・生活に関する制度の情報収集および広報活動(3)グローバル人材共生社会実現のための政策立案および要請活動(4)外国人材雇用に関わる各機関(送り出し機関、監理団体、登録支援機関及び企業・団体等)に関する情報交換および情報提供(5)グローバル人材共生に尽くした市民・地域および企業・団体等の認定・表彰(6)日本語研修、技能評価、資格付与など外国人材の育成向上のための支援(7)外国人材の育成・保護・支援及び地域交流推進に資する企業・団体・地域等へのコンサルティングおよび専門家の派遣(8)会員の業務水準向上のための基準づくりおよび資格の認定(9)会員の福利厚生向上のための研修および交流(10)その他グローバル人材共生社会実現のために必要な事業――を掲げています。
正会員は外国人材共生支援団体(監理団体、登録支援機関)、外国人材受入企業・団体、外国人材送り出し機関、参与会員は同協会の目的に協賛する者としています。
役員は、武部会長のほか、最高顧問に二階俊博・自民党幹事長、議長に松浪健四郎・日本体育大学理事長、評議員に村田吉隆・元内閣府特命担当大臣・国家公安委員長、伊藤庄平・国際技能技術振興財団理事長、副会長に梅田邦夫・日本経済研究所上席研究主幹(前駐ベトナム大使)、金森仁・国際人材育成機構会長、畩ヶ山幹雄ティー・アイ・シー協同組合代表理事、理事に池田英人・国際労務管理財団理事長、小山田陽一・東京経営管理開発事業協同組合理事長、久保裕史・JAPAN OF ASIA代表理事、監事に井口武雄・日本ベトナム経済フォーラム会長が選出されました。
設立総会後、武部会長らは自民党本部に二階幹事長を訪れ、全国協会設立の報告をしました。二階幹事長から「技能実習生など外国人材を適切に保護し、外国人との共生社会実現のために、党として全面的に応援する」と激励の言葉を頂きました。

■受け入れ企業が出国待ち実習生とリモートアクセス面談

渡航規制のベトナムと結び「いつでも待っています」とメッセージ
東亜総研はこのほど新型コロナによる渡航規制で出国を待っているベトナムの実習生を安心させようと受け入れ企業とリモートアクセスの面談を実施しました。
202008072斜里町農業協同組合(斜里町)は7月8日、東亜総研北見オフィスで、オンラインの大型画面に向かって篠原尚樹課長と先輩のベトナム人実習生4人がベトナムの出国待ち実習生2人と会話しました=写真。篠原課長は「お元気ですか?こちらはみんな元気ですよ。世の中は大変な状況ですが、2人が安心して日本に入国ができる日を、私達も先輩の実習生もみんな楽しみに待っています。不安なことがあれば何でも聞いてください」と笑顔で話しかけました。先輩の4人の実習生は「(新型コロナは)周りの人達は一丸となって対応していて、とても安全だから心配しなくてもいいですよ。それよりも自分の健康に気をつけてください」と話しかけ、農業の仕事内容や斜里町や宿舎について丁寧に説明しました。こうしたやりとりに2人の入国待ち実習生は画面を通して大変安心した様子でした。出国待ちの実習生とのリモートアクセス面談は、東亜総研が監理団体を務める拓殖工業(広尾町)、中村興業(中標津町)、北央舗道(中標津町)、北辰土建(北見市)、丸北北海組(稚内市)、イチイゲタ富樫水産(釧路市)、はまほろ(佐呂間町)、美幌町農業協同組合(美幌町)、円輪建設(北見市)、オオニワ(帯広市)でも行われました。リモートアクセス面談は今後も続けていく予定です。
新しい「宿泊職種」で初の合格者
202008073一方、ベトナムの送り出し機関エスハイ社(ホーチミン市)と猿払村漁業協同組合(猿払村)、鶴雅グループ=鶴雅リゾート・ホテル山浦(阿寒町)との間でリモートアクセスによる面接が行われました。猿払村漁業協同組合はベトナム人12人が合格。今年2月に「宿泊職種」が新しい職種に追加になった以降、東亜総研として初めてとなった鶴雅グループの面接ではベトナム人18人が合格(補欠3人)しました=写真
また、北辰土建の2人が随時2級の鉄筋施工(鉄筋組立作業)技能検定試験に合格しました。北海道で実習生が随時2級の技能評価試験にチェレンジする例はほとんどなく、しかも実技で2人とも堂々と合格しました。

■東亜総研主催 北海道の技能実習生作文コンクール

優秀賞「3年だけじゃなくて、一生です。すべてをありがとうございます」のガンさん(ヤマダイ小林商店)
 技能実習生の日本語能力の向上のため、東亜総研が主催した第1回「日本語作文コンクール」を開催しました。優秀賞を受賞した3人の作文の要旨を紹介します。
グエン・ティ・タイン・ガンさん(ヤマダイ小林商店=稚内市)は「3年だけじゃなくて一生です。すべてをありがとうございます」のテーマで優秀賞を受賞しました。
<私は日本の最北端にいて、皆さんは優しくて親切で日本の習慣と日本語と働き方と考え方と周りの人々を気にする方法を教えてくれました。だんだん会社は家族のように、大変な仕事にもかかわらず、毎日会社に来て働き、皆さんと会うのを楽しみになっています。日本の生活にもなれています。二十二歳、私は責任ある女の子になり、明確な目標があり、自分の夢を守り、国と家族を愛しています。毎日頑張って、新しいことを覚えて、困難があっても諦めず。それは日本での時間、三年だけじゃなくて、人生の終わりまでいくための糧(荷物)です。三年が終わったら、ベトナムに戻って、人生をまた築いて、有意義で幸せな生活を送ります>
優秀賞「日本は私を成長させる」のカインさん(東星渡部建設)
 ファン・フー・カインさん(東星渡部建設=釧路市)は「日本は私を成長させる」のテーマで優秀賞を受賞しました。
<日本では何かやるとき安全は一番大事ことです。何かするときよく周りを見て、常に最も安全な方法で作業します。日本の建設作業にはいろいろな段階があり、作業が繰り返されるたびに他の工程(ジョブ)とは同じではありません。日本に来てからは常に積極的に仕事をする習慣を身につける必要があります。疲れたときや寂しときや、よく田舎の青い空を思い出す。(日本に来て)一生懸命に勉強し生きていくことにより(人間として)成熟し、生活に責任を持つようにするため、動機付けとプレッシャーの両方を持ってがんばっていきたい>
優秀賞「あなたの採択」のロアンさん(イチイゲタ富樫水産)
202008074トン・ヌー・キエウ・ロアンさん(イチイゲタ富樫水産=釧路市)は「あなたの採択」のテーマで優秀賞を受賞しました=写真。
<誰でも一回は「自分の人生は運が悪い」と思うことがあるでしょう。それは困難に陥った時です。自分の人生が変わるチャレンジにするか、不運だけで終わらすのか。すべては自分の採択ではないでしょうか。実習生として同期もいなく、一人で日本に来ました。生活と仕事を慣れてきたかと思ったら、会社が倒産しました。全部最初からやり直しなければなりません。北海道はコロナウイルスが拡大して、余計に落ち込みました。今の会社に転職したおかげで、新しい友達ができ、仕事の経験も身につきました。コロナウイルスのおかげで、休みの日に出かける代わりに、皆さんと一緒にマスクを作って、楽しい日を送りました。いま私は自分自身にこう言います。「人間の一生には、楽しいことも、苦しいことも、悲しいこともありますから、ちょっとくさくさしてもいいけれど、絶対に諦めないでください」と>

■日越大学 学部入試実施状況報告

学部日本学プログラムの9月開設に向け学生募集
202008075日越大学は学部日本学プログラムの今年9月開設を目指し、学生募集活動を行っています=写真は日越大学修士課程第一期生学位記授与式(2018年7月)。同プログラムの2020年度の入学定員は50人です。選抜方法は①全国統一高校卒業試験の成績による選抜20人②高校の成績と面接試験による選抜20人③指定校卒業生からの書類による直接選抜5人④その他の選抜(日本語N3など国際資格保持者など)5人。すべての方法に共通して、高校を卒業していること(8月に実施される全国統一高校卒業試験に合格していること)、全国統一高校卒業試験の数学、言語・文学、外国語の成績の合計点が18点以上であること(6割)が必須要件となります。
日越大学では、大学自らが学生の力を判定できる②の方法を重視し、6月と7月の2回にわたって面接入試を実施しました。第1回目(6月13日、14日実施)は受験者25人で内定者18人、第2回目(7月12日実施)は受験者23人で内定者17人です。これらの面接試験に割り当てている定員は20人ですので、定員の2.4倍のべ48人の受験者があったことになり、順調な滑り出しでした。日越大学は、引き続き募集活動を強化していく予定です。

■日中修学旅行再開に向けてビデオ・メッセージ

武部会長が中国・遼寧省の開原小学校の児童に
202008076武部会長は昨年5月から同7月にかけ、日本へ修学旅行に来た中国・遼寧省の開原小学校の児童に向けてビデオ・メッセージを送りました=写真。テロップは中国語になっています。
メッセージの全文は次の通りです。
<皆さん、お元気ですか。会いたいですね。修学旅行で日本に来られた時、本当に思い出でいっぱいでしたね。そして、みんなが成長している姿を見ると本当にうれしく思いました。私たちもいろいろなことを教えていただきましたよ。またいろいろなことを気づかせていただきました。そして日中修学旅行交流がどんなに大事な事業かということについても日本政府も自民党の二階幹事長も大絶賛でしたね。その後中国政府とも話し合って、この日中修学旅行交流を積極的に進めていこうとそういう約束を交わされています>
コロナの問題で中日文化芸術交流ができなかったことは本当に残念ですね。
これを乗り越え、いずれの機会に実現しましょう。花を咲かせましょう。

<コロナの問題で、一生懸命土曜日も日曜日も練習した中日文化芸術交流ができなかったこと、本当に残念ですね。しかし皆様方が一生懸命頑張って、これを乗り越えて成長しているということは素晴らしいことですよ。いずれの機会に必ず実現しましょう。花を咲かせましょう。その時をお互いに楽しみに誓いましょう>
<特に驚いていることが一つあります。子供たちがみんな日本語を勉強しているというビデオを送っていただきましたね。感動しました。今度日本に来た時には日本語でお話しましょうね。また日本語を勉強していただくということは必ず日本と中国の懸け橋になれる、いろんな面で可能性がありますよ。ぜひさらに続けてください>
<最後に校長先生、先生方、お父さん、お母さんに一言を申し上げたいと思います。新型コロナウイルスというのは本当に中国においても日本においても、みんなが窮屈な不自由な生活に追い込まれました。しかしこの困難を乗り越える努力をお互いに協力しあって続けていこうでありませんか。必ず克服しようでありませんか。何よりも大事なのはお互いに健康です。ぜひ健康第一の生活を守られるようにお祈りいたしております。お話したいことがまだまだたくさんありますけれども、今日は必ず日中修学旅行交流が再開できることを誓い合えながら私のメッセージを結びたいと思います。またお会いしましょう。ありがとうございました>

■東亜総研 第4回理事会、定時評議員会

2019年度事業報告書、同決算書を承認
東亜総研は5月21日、第4回理事会を開催した。コロナ感染を考慮して、書面による決議で、2019年度事業報告書、決議書を承認しました。長澤雄二郎氏、上山茂生氏を理事候補として推薦するとともに、2020年度の常勤理事の報酬予算を評議員会に提出することを決めました。これらは6月22日に開催された定時評議員会で承認されました。