「東亜通信 第19号」東亜通信を発信しました

■武部会長 2022年 寒中見舞い

「一陽来復」 やがて陽が昇る景色を心に描き創意工夫を凝らして時を待つ
2022011
 あけましておめでとうございます。
 ようやく普通のお正月を迎えられると期待していましたが、オミクロン株の拡大が心配される今日この頃です。皆様にはいかがお過ごしでしようか。
 私は書き初めに「一陽来復」と書きました。長い長いコロナ禍の毎日でしたが、やがて陽が昇る景色を心に描きながら、いろいろ創意工夫を凝らして時を待ち続けてきました。私事に及びますが、わが家では大掛かりな断捨離とリフォームをしました。子供たちの保育所時代からのアルバムや連絡帳などを発見、改めて気付かされたことがたくさんありました。ある意味「至福の時間」だったとも言えます。
 東亜総研においても同様です。来る2023年に弊財団は創立10周年を迎えます。反省をしながら前進を期す貴重な時間を与えられたことに感謝しています。
 しかし昨年末、オミクロン株の水際対策で入国出来なくなった実習予定者が気の毒でなりません。受け入れを待つ企業はもとより地域経済や国民生活に深刻な影響が及んでおり技能実習生受け入れ監理団体でもある弊財団は政府及び関係機関に対し早期解決に向け全力を尽くして参ります。
 また昨年12月、一般財団法人外国人材共生支援全国協会(NAGOMi)の設立一周年と拙著「日本再生〜令和の開国論」出版を記念してNAGOMiフォーラムin東京を開催、全国から二百名余のご参加をいただきNAGOMiの活動に対する理解と関心の深さを痛感し、心強く思いました。
 11月には、岸田文雄首相とファン・ミン・チン・ベトナム首相の立ち会いの下、NAGOMiとベトナムVAMAS(海外労働者派遣協会)との間で協力覚書の交換式が執り行われました。これは日越両国の人材育成協力における新たな歴史の始まりといって過言でありません。
 東亜総研は、「共存共栄のアジア新時代」をめざし「人材育成協力」こそが、日本の果たすべき役割と考えて日越大学国内支援事務局を担ってきましたが、このたび「日越大学国内支援本部」に格上げされ、代表に不肖私が、副代表にJICA元理事の入柿秀俊氏が就任しました。日越大学構想は、日越両国共同の戦略的プロジェクトですのでますます弊財団の責任と役割が重くなりました。
 コロナ禍のために現地調査入りできなかったもののJICAの「モンゴル観光基礎調査」は、特筆すべき事業でありました。弊財団理事でもある清水武則元駐モンゴル大使が総括責任者とし大変ご苦労され、11月には報告書を提出しましたがJICAから「期待を上回るレベルの業務」との評価をいただきました。東亜総研モンゴル人スタッフはもとより担当チームの皆様に深く敬意を表したいと存じます。本年は日本モンゴル外交関係樹立50周年の記念すべきであり、モンゴル国の未来を拓く観光ビジョン策定に寄与できることをとても嬉しく思います。
 これまで東亜総研は、「アジアの安定と日本の持続的成長」は日本の国益上の重要課題と考え、アジアの国々とのプラットフォームづくりに力を入れて参りました。いよいよ今年は、人材育成と北海道観光物産振興を軸にベトナム進出を確実にしたいと考えています。
 そして明年の設立10周年を節目に、東亜総研の基盤固めを成し遂げ、次なる発展を期して参ります。
何卒、皆様の変わらぬご指導とご支援をお願い申し上げます。あわせて皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ年頭のご挨拶を結びます。
 本年もよろしくお願い申し上げます

令和四年一月吉日
                    公益財団法人 東亜総研
                    代表理事・会長 武部 勤

■随時2級紙器・段ボール箱製造試験に合格

北海道で20年ぶりの受検 王子コンテナー釧路工場のリー・タン・ロイさん
2022012
 北海道釧路市の段ボール製造販売「王子コンテナー」(本社・東京都)釧路工場で研修するベトナム人、リー・タン・ロイさん(29)がこのたび技能検定随時2級紙器・段ボール箱製造(段ボール箱製造作業)の試験に合格しました=写真は合格証を手にするロイさん。同試験は学科と実技があり、専門知識や技術の範囲が広くて難しく、北海道での受検は20年ぶりとなりました。申請当初は、北海道での公示がなく、外国人技能実習機構に相談したり、北海道職能に粘り強く働きかけた結果、受検実施が可能となりました。
 同工場で行われた試験で、ロイさんは検定員らが見守る中で製造機「フレキソフォルダーグルア」を使用し、仕様書に基づき順序通りに段ボール箱を製造しました。試験当日、同社は工場での作業を一部停止し、試験のために高価な印版も用意されました。
 ロイさんは2017年1月に来日し、同工場で約5年間にわたって訓練を積み重ねてきました。ロイさんによると、同試験は、日本の環境についての規定、製品の質量、電流の調整、印刷塗料の調色など専門分野が幅広いうえ、資料は全部日本語のみで専門用語も多く、これらを理解するためにインターネットで調べながら会社の先輩にも教えてもらうなど修得が大変でした。ロイさんは「幸いなことに僕の勤めている王子コンテナーはベトナムに5つの工場があります。2022年で5年の実習が修了するので、ベトナムの南部にある工場で同じ仕事を続けたい」と抱負を語っています。

■日越大学国内支援本部が発足

代表に武部会長、副代表に入柿JICA元理事
 東亜総研はJICAから日越大学国内支援事務局の事業を受託していましたが、2022年4月から日越大学国内支援本部に格上げされ、引き続き受託事業を行うことになりました。組織の格上げに伴い、代表に武部会長、副代表に入柿秀俊・JICA元理事が就任します。
 日越大学国内支援本部は日越両国共同の戦略的プロジェクトとして(1)日越大学の将来像(2)日越大学と関係機関の連携(3)日本国内における日越大学の活動に関する広報(4)その他日越大学の円滑な運営や発展に向けた日本側支援に関する事項--に沿った業務基本計画を作成し活動することにしています。

■東亜総研 臨時評議員会で「定款の変更」を了承

「会長、理事長、専務理事を置いて3人を代表理事」に変更
 東亜総研の臨時評議員会が1月12日、東亜総研会議室及びオンライン会議システムで開催されました。臨時評議員会では村田吉隆評議員が議長に選出され、決議案件の定款変更の件が了承されました。
 定款変更の件は、役員に設置について、現在の「理事のうち会長1名、副会長若干名、専務理事1名を置くことができる」「前項の会長及び専務理事をもって法人法上の代表理事とし、業務を統括する」を、新に「理事のうち会長1名、理事長1名を置き、専務理事1名、常務理事若干名を置くことができる」「前項の会長、理事長及び専務理事をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の代表理事とし、常務理事をもって同法第197条において準用する同法第91条第1項第2号の業務執行理事とする」を主たる変更としています。