東亜総研月例セミナー報告-平成26年2月14日(金)

平成26年2月14日(金)、第3回月例セミナーを開催しました。講師は、ベトナム社会主義共和国 特命全権大使 ドアン・スアン・フン閣下。「日越外交関係40年の成果と今後の展望」と題し、豊富なご経験をもとに、お話を頂きました。

ドアン・スアン・フン閣下

日本の各地域を精力的に訪問しています。

「日越40年の内にベトナムは平和・発展を遂げた。その間、日本はベトナムの良き隣人として支援してくれた。今後も、友好的な日越関係が続くと楽観視している。」と始まった講演は、ベトナムに対する米国の、経済制裁解除に果たした日本の役割、ベトナム初の外貨獲得は日本への輸出によるものであることなど、日本が果たした友好的な役割を指摘。現在、日本のベトナムに対するODAの累計が220億ドル(2位はフランス40億ドル)、日本からの投資案件は2227案件・340億ドルに上ることなど、日本の貢献実績を強調された。さらに、両国の貿易額は飛躍的に増大しており、1992年の対越援助再開以降20年で、経済のみならず政治・安全保障分野まで緊密な関係を築いてきたことも強調した。

「2009年以降の戦略的パートナーシップから、日越関係は新たな発展段階に入った。2013年1月、安倍首相は就任後最初の外国訪問としてベトナムを訪れていただいた。(同年12月15日には東京で日越首脳会談が行われ)私の32年の外交官生活で年に2度の首脳会談が催されるなどは初めてのことだった。日越外交関係樹立40周年記念イベントも、これまでにない盛り上がりをみせた。」と述べた。

地域的課題を共有する日越の特別な関係を踏まえて、「若年人口の黄金期を迎えるベトナムと、人口減少の日本は、互いに利点を生かしあえる補完関係にある。日越関係をもう一段高いレベルに上げるべきだ」とし、日本首脳のベトナム訪問にも期待を示した。また、3月に予定されているチュオン・タン・サン国家主席の訪日は、世界の平和・安定にも大きな意味があると述べられた。

講演後の会場からの質問に、日本とベトナムの共通性に触れ、「日本は大戦の廃墟から見事な復興を果たした。ベトナムもまた、戦争の惨禍から立ち直った。ベトナムと日本はいわば兄弟のようなものである。ベトナム人は日本人の精神を学び、日本同様、困難を乗り越えて、さらに平和的に、大きく発展してゆく。」と締めくくった。

⇒講演録の全文はコチラ 第3回月例セミナー講演録